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​理研特区についての詳細な解説



 正式名称、理科研究特別地区。政治的・経済的制約を受けない自由な研究を行える環境を欲した各国の科学者たちによって建設された自治国家。電子工学研究科、生態研究科、化学研究科の3区域+全てを総括する政治部から構成される。各科にはある程度の自治権と学校運営権が与えられているため同じ理研特区内でも細かな法律に違いが見られる。理科研究を国の柱としている性質上、政治部以外の3区域の中枢機関(通称本部)には行政事務を司る各種役所の数倍にも及ぶ研究室が設けられている。本部の事務員はもちろんのこと、研究員も公務員として扱われ、最高の環境で自身の研究を進めることが出来る。
 理研特区内では何よりも研究、特に人類の発展に寄与する研究が第一であり、全体の発展のためなら(本部の利益のためなら)非人道的な内容のものも許容されていた(『海の聲』参照)。一応100年後(深トキ、蝶、燃ゆ時代)の理研特区では少し規制が厳しくなったらしいが…。
 上記の理由により環境保護や生態研究などを重視する考えを持つ者は自然保護思想派と呼ばれ異端者とされる。(食用の養殖やバイオテクノロジーのための生態研究は可とされるので大っぴらに環境保護を唱えなければ生きていける)

各科の特徴など
・電子工学研究科
 『海の聲』の舞台。その名の通り機械や情報系に特化した区域。理研特区内で最も栄えており他国への技術輸出も積極的に行っている。自分たちの技術を誇りに思っている市民が多く現状に満足しつつもゆるやかに発展していくことを望んで研究している者が多いので、倫理観は保たれている。21世紀半ばに多くの優秀な若者を失い一時は壊滅的となったが数十年で復活した。
 学校制度の特殊な点としては、生徒の得意分野を伸ばすための教育としてより優秀な回答を書いた者に対して満点以上の点数をつけるというシステムが採用されている。社会情勢系の科目が壊滅的な須藤はこれで合計点を稼いでいた。

・生態研究科
 理研特区のNo.2。医学やバイオテクノロジーなどがメイン。生態研究科という割にあまり生態系の研究は進んでいない。電子工学研究科への対抗意識が強く、一文路総長の時代に電子工学研究科の優秀な大学生たちを使った人体実験で大打撃を与えようとした(『海の聲』)。その後この最悪な実験は世間に露呈し、一文路一族は生態研究科本部への立ち入りを永久的に禁止された。2165年時点の本部総長は御門治。
 自由でクリーンな電子工学研究科に対して本部の統制が強く、その分非人道的な裏研究が出回っているのが生態研究科の特徴。人々の本部への畏れや憧れが強い。そんな絶対的存在の本部に高校生の研究者が配属された時には世間が大騒ぎだった。

・化学研究科
 割とおまけ程度の存在。大きな研究がしたい人は他の科に流れていってしまうため平和にこじんまりと化学について研究している。本編には登場しない(2022年9月に連載開始の番外作『幻想の白鯨』にて登場)。一応21世紀半ばには唯一無傷の機関として電子工学研究科と生態研究科を支援していた。

 22世紀後半生態研究科の一文路財閥が衰えたことをきっかけに金ヶ崎グループが化学研究科の枠を飛び出し権力を持ち始める。理研特区近海の海底に巨大なエネルギープラントを建設しているとの噂。

・政治部
 名前の通り政治を専門とする機関。住人も政治家とその家族、および店舗を営業する者のみ。3区域たちをまとめる役割を持つが、21世紀半ば生態研究科と手を組み、電子工学研究科を攻撃した。その後人員が一掃されたことは言うまでもない。

​制服資料

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